将軍徳川吉宗の時代に端を発する千切屋は、明治維新後、呉服の総合専門商社として今日まで発展してきました。その代表を務める責任は、3世紀にわたる当社の歴史だけでなく、和装文化を継承して次の世代につなげることであるので、この年になっても身に余る思いが絶えません。かつては1兆円産業と言われた和装産業も年を経るごとに規模が縮小しています。それでも若い方々の呉服に対する憧れのような気持ちは変わってはいないと思います。そのような気持ちに応えるためにも、私たちは和装文化を次の世代に伝えるとともに、若手工芸作家の方々を発掘して応援すること、そして信頼の置ける悉皆(しっかい)業者さんを通して熟練の職人さんたちの仕事を維持することに積極的に取り組んでいます。
呉服は複雑で長い工程を踏んで作られる衣装です。各工程は分業化され、高度に専門化されています。種類も染、紬、絣など、非常に多岐にわたります。男性の場合、表は地味ながら裏地で遊ぶという粋な文化もあります。また、陳列の際は、正面から見せる洋服とは違い、背面から全体を見せるという特別な陳列方法があります。このように工芸的技術と独自の文化を併せ持つ和装が途絶えることのないよう千切屋は精進に努めています。私たちに足りないところは皆さまのお力添えをいただきながら、和装文化を継承させていきたいと思います。
四字熟語で書くと、いかにも堅苦しいですが、要は心から融け合って全社員の信頼のもと、楽しい職場にするということ。
そして、全社員の力を合わせて目標に向かって団結してがんばっていくこと。
古くからの社是は、今も千切屋の社員の中にDNAとして脈々と受け継がれています。